日本の伝統芸能「能」のことば（詞章、謡曲とも）は、和歌や漢詩・歴史など古典文化の宝庫です。でも「難しそう」と能が好きな人でも、「なんとなく」としか分かっていないことも、意外に多いのではないでしょうか。でも、それは「もったいない」と思いませんか？

「能のことばを読んでみる会」は3か月に1回、テーマ曲を定め、一緒にことばを読みながら、能の内容に一歩踏み込み、楽しむポイントを増やすことを目指す会です。

主催者は責任を以て、様々な話題を提供しますが、参加者の皆さんも一緒に読む中で感じたこと、能を見たり、稽古したりする際の、より深く楽しむ「きっかけ」となることを目的に開催しています。

43回目に取り上げる能は、中国の大天狗が日本に来襲する能《是界》（流派によって《善界》または《是我意》とも表記）です。

中国の大天狗・是界坊は、中国全土で慢心する者を全て天狗道に引きずり込んだので、次なる標的として日本を選ぶ。来日した是界坊は愛宕山の天狗・太郎坊を訪ね、日本で天狗の勢力を増やそうという自分の企みを語る。太郎坊は賛同し、比叡山を狙うことを勧めるのだが……。

神通力を持ち、空を翔る天狗ですが、「天狗になる」という言葉で知られる通り、高慢の別名でもあります。天狗という存在の背景にも思いを馳せながら、中国・日本をまたに掛けたスケールの大きさを一緒に読みましょう。

会場に来場者用の駐車スペースはありません。公共交通機関または近くのコインパーキングをご利用ください。