プロフィール
粟田麻利子 Mariko AWADA
大阪大学文学部を卒業後、会社員を経て、2007年秋より奨学金を得てバークリー音楽大学へ留学。同大学プロフェッショナルミュージックメジャーを首席で卒業。第11回神戸ジャズボーカルクイーンコンテスト入賞、第5回さいたま新都心ジャズボーカルコンテスト・グランプリ受賞、国際大会Jazz Vocal Contest 2014ファイナルに選出。2017年度より名古屋芸術大学にて後進の指導にもあたる。取材実績:中日新聞、岐阜新聞、毎日新聞、Jazz Life、Jazz Japan、月刊なごや、大阪大学卒業生冊子「OS」、多治見北高校同窓会会報、広報かに、などその他多数。
Sonoligoとの出会い
ーーーSonoligoと出会ったきっかけはなんですか?
Sonoligoというサービスのことは立ち上げ当初の時期から知っていました。夫がSonoligoのメンバーと同じ大学出身という縁もあり、直接声をかけていただいたのがきっかけです。
コロナ禍で対面のレッスンが難しいという状況の中、オンラインを通じてレッスンの受講者を増やしたい思いが強かったので、まずやってみようという感覚でした。
ーーー最初に使うときはどういう思いでしたか?
立ち上げ初期のプラットフォームだと、そもそも会員が少ないことがネックになるだろうという考えはありました。でもそこまで不安だったわけでもなく、とりあえずやってみてうまくいかなければその時に考えればいいかなと。
他のオンラインのプラットフォームでも活動をしていて、オンラインで何かを行うことには抵抗はありませんでした。Sonoligoを利用することで、新しいお客さんが発掘できたらいいなと思っていました。
粟田さんの講座は声について課題を感じる幅広い方へ開講されている
Sonoligoの魅力
ーーーSonoligoならではの魅力を感じるポイントはどこでしょうか
一つ目は、コンセプトがはっきりしているところだと思います。コロナ禍によってオンラインのイベントが増えたかと思いますが、もともとはオフラインのイベントのプラットフォームとして始まっていて、コロナ禍で対面のやりとりが減った中でも双方向のコミュニケーションなどのリアルさを大事にしてるところは魅力ですね。
二つ目は、実際によい出会いがあったことです。Sonoligoで開催したレッスンが終わったその日の夜のうちに、私のWebサイトからマンツーマンでのレッスン希望の問い合わせがありました。
他のプラットフォームとは違ってリアルタイムであることで、利用者との距離感が近く、新しい出会いが生まれやすいことは講師側としてはとてもメリットだと感じます。
ーーービジネス視点もある粟田さんから見て、文化イベントのプラットフォームの強みはどこにあるとお考えでしょうか
サブスクリプションというモデル上、ユーザーの数だけでなくイベント自体の数も求められてくると思います。
オフラインのイベントが本来のメインのコンテンツというところや、オンラインでも「リアルタイムで双方向」ということを大事にされているところから、種々雑多ないろんな人がごちゃまぜの状態になっていく可能性は少ないのではないのでしょうか。より文化に対して興味や熱意のある利用者、主催者が集まってきそうですよね。つまり、ユーザー側も講師側も一定のクオリティーをちゃんと保てるのが、プラットフォームとしての強みになってくると思います。
直感的にわかりやすい図なども用いながら、声についての解説が進行していく
苦労した点
ーーー粟田さんはこれまでに3回の講座を実施されていますが、その際に苦労した点はありますか?
今までオンラインでは、リアルタイムの講座とオンデマンドの講座の両方をやっていたのですが、Sonoligoで開催するような、複数の方とリアルタイムで、チャットなども使いながらという形式は実は初めてでした。全くお会いしたことない方が相手というのも新鮮でした。
参加者の中には、ビデオがオフで音声もオフという状態の方もいて、どのような方かまったくわからない状態で進めていくことになります。
慣れてる方は進んで発言してくださいますが、他の参加者に聞かれるのが恥ずかしい方がやはり多いと思います。なので、どういう目的で参加しているかなど、少しだけでも事前に伺っておけると進めやすいかなと思いました。
ーーー集客で苦労したこともありましたか?
やはりオンラインだけだと集客には苦労があるなと感じます。
Sonoligoで言えば、例えばスポーツのイベントにも行けて、コンサートにも行けて、美術館も行けてというのが全国の様々な地点であって、旅先でも行くことができるようになっていると、他とは違った集客ができそうです。他には、ひとつの講座を選んで参加するほどではないけど、サブスクリプションで、たまたま発見した講座に興味が湧いたからちょっと参加してみようかな、という流れで参加する方が増えるといいなという気がします。
今後の展望について
ーーーSonoligoとしてこうあってほしいという理想形を教えてください
ユーザーからしたら、いろんな講座が数ある中で、あれもこれも参加してみたくて迷ってしまうような楽しみが欲しくなると思います。オフラインのイベントもオンラインのイベントも数や種類が増えることで、主催者も参加者もどんどん使いたくなるはず。
それから、イベントごとにチケットをわざわざ買うわけでもないという人がSonoligoによってすこし興味があるという段階で行動をするようになると、主催者にとっても新しい出会いに繋がりやすいですし、参加者も気軽にいろんなものを知れて楽しめる。それは理想的な姿かなと思います。
ーーー粟田さん個人として、今後は違う切り口での活動も考えているとお聞きしましたが、いかがでしょうか
私も以前は会社員をしていたのですが、会社の中でのお茶のクラブや英会話のクラブというような、福利厚生などの延長線上に、自分のやっているようなボイストレーニングの活動があったらいいんじゃないかと考えています。自分1人だと企業とはなかなか繋がれないので、そこはプラットフォームに期待をしている部分です。
それから、リアルイベントのプロモーション的な位置づけのオンラインイベントを開催するのも面白そうです。例えば、次のコンサートで演奏する曲の解説や、ジャズでいうと途中で即興演奏が入るんですよとか、リアルをより楽しんでもらうためのオフラインイベントというのは、大いに可能性を感じます。
やっぱりファンになってくれればその後のコンサートもチェックしてくれたり、CDを買ってくれるかもしれないし、講師としては1回講座するだけ3倍ぐらいお得のような感じなので、ファンづくりという意味での媒体の使い方は相性がよさそうです。
ーーー文化イベントのサブスクリプションについてどう思いますか?
今後、世の中ではサブスクで講座を受けることに慣れが出てくると思っています。日本は現状はそれほど広まっていませんが、アメリカなどではもうサブスクでの講座が浸透してきています。
まだジャンルが限られていたり、先生が限られてたりしていて、自分がちょうどいい時間にぴったりの講座が受けらないことも多いかもしれません。将来的に認知度が高まってきて、先生も増えてきて、講座いっぱいあって選びたい放題という感じだったら、今後もっと伸びていくのではと思います。